日食用レンズにどどっと400は?

足達 克己

 変な題名と思われますが、事の顛末を始めから細かに言うと長くなるのではしょって述べますと、今年の5月にニコンおもしろレンズ工房を18000円で衝動買いしてしまい、そのうち400mmF8が日食用に使えないかと試写した結果の報告レポートです。

 まず、ニコンおもしろレンズ工房の紹介から。これはニコンの商品ですが、あまりにも普通の一眼レフレンズと離れた機能、構成なのでニッコールと呼ぶことを許されなかった入門用レンズセットです。内容は20mmF8(ぎょぎょっと20)と、中のレンズ組み替えて2種になるマクロ120mmF4.5(ぐぐっとマクロ)/ソフトフォーカス90mmF4.8(ふわっとソフト)と、問題の400mmF8(どどっと400)のセットです。なんせこの値段ですから、絶対にコストをかけない意地と言おうか、いさぎよさがあります。共通的に鏡筒は黒アルマイト処理のみ、一切目盛りなし、例外がレンズ装着時の位置を示すポンチ穴のみ、マウントは当然プラスチック、ピントはヘリコイドでなくガタのある原始的なカム機構のみ。そしてなんと絞りなし、ケースは当然なし、ボール箱に3本並べて1ページのレンズ組み立て説明書と、黒一色ではさみしいのかプラモデルみたいなシール(これがA4一枚びっしりと色んな種類があって唯一豪華?)、以上終わりという物です。今の初級AF一眼レフを使っているユーザーに幅を持ってもらおうと企画されたようです。仕事上、他社の人から聞いたことがありますが、絞りを入れるということは一度、光束を平行にしてそこに絞り機構を設けることになります。これが無いという事はレンズ構成上かなり楽になると言うことです。このセットはそれをコストダウンに結びつけたと言うことでしょう。

で、400mmF8ですが、日食用と割り切れば、絞りと距離目盛りなしは別に欠点とならず、500g、収納時151mmという携帯性が大きな魅力です。それで今まで日食に使ってました高橋FC−50(400mmF8と同一スペック、2.2kg、長さ450mmのでかさ!)と太陽を同一条件で撮影して比較してみました。

カメラ NikonF2、×6高倍率ファインダ、全面マットのスクリーン
フィルム  アグファ ネガASA100(台得ーの安いやつ)
フィルタ ケンコーND400+富士アセテートND2.0 →計1/40000
太陽高度41度
シャッター 1/2000  ×2テレプラス時は1/1000
(×2テレプラス時で適正露出、直接焦点は露出オーバーだが1/4000が無い)



  直焦点 ×2テレプラス
どどっと400 ピント3、色収差3 *1 ピント2、色収差3
FC−50 (ピント4、色収差4)*2 ピント4、色収差5
Nikkor200mmF4(15年前のもの)   ピント3、色収差4

満点5→最低1の5段階評価、私の個人的主観です。

*1 ガタの多いピント合わせ機構のため、非常にピント合わせがしずらい
*2 画面中央に撮影した1枚のみフレヤが出ていた。

過去の実績からも  このようなことはなかったのでフィルタボックスあたりからの迷光と思われる。 ピントはさすがに高橋の機構でガタも少なく楽。

 どどっと400の色収差の度合いは、太陽の周辺に紫のにじみが若干見えるというもので、ピントも甘くなるのもこのせいでしょう。皆既時以外の欠け方の記録に徹し、サービスサイズ程度の引き延ばしなら問題になるレベルではないと思います。太陽相手の400mmは以外と色収差が大きく見えるということでしょう。この焦点距離ではFCに代表される低分散レンズとの差が見られたのも一つの収穫かと思います。

 やはり次回もピント合わせが楽で、色収差も少ないが重いFC−50がメインで、軽いどどっと400は予備機となりそうです。(ピントは重要ですよね、増田君)

 ちなみに他のレンズは結構おもしろく、十分元はとれるセットですよ。ニコンユーザーならお奨めしますが、限定生産なので今でも入手できるかは不明です。O氏あたりに尋ねたら分かるかもしれません。

 以上、個人的レポートでした。

 会長、ちなみに黒点ありませんでした。